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これまでご出演いただいた客演の皆さんと

対談していこうというこの企画

「劇の人のはなし」。

その第一弾のお相手は

演劇集団キャラメルボックスの石原善暢さん。

実は石原さんとは昔からの長いお付き合いなのです。

今年で結成19年を迎えたシアターピープルパープルの

初期の頃の貴重なエピソードも盛りだくさんです!

――久しぶりの再会ですね。

 

森下   そうですね。再会は嬉しいもんです。石原さんには初期の作品からいっぱい力を貸して頂きましたからね。

旗揚げ公演『be inside MY HEART』や犬が主役の第三回公演『GURI』に出演したのを覚えてます?

 

 

石原 あー、覚えてる覚えてる!(笑)じゃあ昔のこと思い出しながら、話しますか。

 

 

森下 思い出せます?2000年旗揚げですから。19年前ですけど。

 

 

石原   19年か……!

 

 

森下 うちの作演出の宇田と出会ったきっかけは養成所ですよね。

 

 

石原 うん。養成所での初舞台が宇田くんと一緒だった。

 

 

森下 へぇ!!そうなんですね。宇田が脚本家としての道を歩むって思ってました?

 

 

石原   いや、どうだろう。でも、僕が養成所をやめて劇団を立ち上げた時に宇田くんが公演を観にきてくれて。その時に「僕、いくらでも書きますよ」って。「アイデアがどんどん溢れてくる」って話してた。(笑)

 

 

森下  えー!それって、ピーパー立ち上げる前?ですよね?その頃から書ける気がしてたんだ!?

 

 

石原 そうかもね。(笑)

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――話題をかえますが。お二人がお芝居を始めたのはきっかけは何ですか?

 

 

石原  俺は、元々うちの母親が芝居やってたのがきっかけかな。母親は昔高校演劇をやってたのもあって、僕が小学生の頃には脚本を書いたり、地元の公民館で演出、出演をしてたから、それを見に行ったりしてた。

 

 

森下   へぇー!それに出てたんですか?

 

 

石原 いや、俺は出なかった。うちの兄貴は出てたけどね。人が足りないとかで王様の手下の衣装着せられて、当日舞台に立ってた。(笑)

 

 

森下 でも、それを見て演劇をやりたくなったんですよね?

 

 

石原 まあ、そうかな。でも、最初は演劇には興味なくて。映像の仕事をやりたかったから養成所に入った。ひさえちゃんは?

 

 

森下 私は、なんとなく大学に入ったら芝居をやろうと思ってて。深い理由もなく、なんとなく。そしたら母親が、こんなの募集してるよって新聞記事を持ってきて、地元の町民劇団が出演者を募集してたのがきっかけです。その演出の先生に誘われて、「先生の劇団で舞台やれへんか」って。それでやったのが、キャラメルボックスさんの『ヒトミ』です!

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石原 あれ?『アローンアゲイン』もやってなかった?

 

 

森下 『アローンアゲイン』は、ピーパーの前身というか、ユニットみたいなので公演やったときに。

 

 

石原 実はその舞台を観に行って、面白いなって思って、近くのTSUTAYAに行ってキャラメルボックス作品を探して。そしたらレンタルがあったから見てみて、そこからキャラメルボックスにハマってん。その後キャラメルボックスに入って初舞台が『アローンアゲイン』だった。

 

 

森下 おお…!

 

 

石原 で、それからキャラメルの劇団員として、初めてピーパーの公演に出演したのが『ORANGE』。

 

 

森下 『ORANGE』の初演ですね。2004年。最初の台本が上がってきた時3時間半以上ありましたよね、作品の長さ。

 

 

石原 そうそう、そこからだいぶ削ってね。

 

 

森下 削って削って、3時間。途中休憩入れて。でも、スケジュール組んだ時はこんなに長い作品になると思ってなくて、いつもどおり2時間くらいで想定してたから、昼夜公演をほとんど休憩もなく約1週間続けたもんで、みんな舞台裏でぶっ倒れてましたよね。

 

 

石原 初演の『ORANGE』の時は、客席から感じる感情が痛くて。セリフひと言ひと言喋るのがほんとにキツかった。それで体力も削られていくっていうか……。でも、それはほんとに役者冥利につきるというか。なかなかそこまで感じられることはないから。

 

 

森下 体力的にも極限状態にあったから、それをお客さんが感じ取ってくれてるのもあるのかもしれませんよね。

 

 

石原 そうかもね。

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森下 しかし、極限状態だからこそ、色々笑えるハプニングもありましたよね。

 

 

石原 そうそう、笑ったらあかんからこそ笑ってまう、みたいな。宇田くんと一度舞台から袖に捌けて、すぐ別の袖から出ていかなきゃいけないところで、新人劇団員が袖に立ってて、「どけ!」って俺が叫んだら、新人があわてて幕を持って逃げたもんだからその幕に俺、ぐるぐる巻き込まれて。

 

 

森下 石原さん「(出口)どっち!どっち!」ってもがいてたやつでしょ。

 

 

石原 そう!

 

 

森下 宇田、大爆笑して舞台上に出たらしいですよ。

 

 

石原 やろうね。俺も笑いそうやったもん。

 

 

森下 初演は特に、資機材(ホースやロープ)のさばき方も慣れてないから、ハプニングが多かったですよねー。

 

 

石原 お客さんと映像見ながらそんなエピソード話しするみたいなイベントあってもいいかもね。

 

 

森下 たしかに!舞台だと、よくありますもんね、ハプニング。

 

 

石原 ハプニングといえば、この間出演したキャラメルの『エンジェルボール』では、外国人選手の役をやらせてもらったんやけど。台本には片言の英語セリフしか書かれてないけど楽しいシーンにしたいなと思って自分でも考えたりして。顔がわからなくてもいいからヒゲをつけることにして、実際俺ってわかってないお客さんもいたりして。一回、あるシーンでヒゲをつけ忘れて出てしまって、しまった!と思って、めっちゃバットを上に構えて腕を顔まで持ってきて隠してた。 

 

 

森下 ハハハハハ!

(後編へつづきます)

石原善暢(いしはら・よしのぶ)さんのプロフィール

1973年うまれ。大阪府出身。JFCT所属。

2002年より演劇集団キャラメルボックスに入団。

舞台、映画、テレビなど幅広く活動。

CF アクサ損害保険『チームAXA編』ほか、映画『検察側の罪人』、

NHKBSプレミアム『おしい刑事』、テレビ朝日『相棒12』など。

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会場 池袋・あうるすぽっと

脚本・演出  宇田学

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2019-07-14 SUN

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